文字起こし・テープ起こしとは

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文字起こし・テープ起こしとは

文字起こしとは、録音音声や動画をテキストデータに変換することです。

録音音声は一度文字起こしをしてしまえばワード検索が可能になり、音声を聞き返さずとも発言者や発言内容の特定が容易になります。これにより議事録作成などの業務効率が向上し、工数削減に繋がります。また会議中の話者と発言内容を正しく記録し、証跡として残す上でも有効です。

AI音声認識を活用した自動文字起こしツールが広く普及する一方、原稿の精度を求めるケースやセキュリティの観点から、人の手による文字起こしの価値を評価されるお客さまもいらっしゃいます。

文字起こしの目的と利用シーン

文字起こしサービスは以下のような分野・用途で活用されています。

  • ビジネス:会議録・議事録の作成、ステークホルダーインタビューの記録 など
  • 学術  :シンポジウム・講演会の抄録用原稿、研究用インタビューの記録 など
  • 証跡  :調査・証跡・調査過程や会話の証拠化(違法行為、ハラスメント、コンプライアンス違反 など)
  • メディア:取材記事用の元原稿、テレビ番組用のタイムコード入り文字起こし など

業種別活用事例

文字起こしは業種を問わず幅広いシーンで活用されています。当社では官公庁さま、上場企業さま、大学さまをはじめ、あらゆる業種のお客さまより200,000件以上のご依頼実績がございます。

法人さま 役員会
株主総会
業者打合せ
社員座談会
団体交渉
社員面談・ヒアリング
商品モニターインタビュー など
官公庁、自治体さま 議会
委員会
意見交換会
有識者会議 など
大学さま、研究者さま 学長選考会
ハラスメント委員会
講演会・シンポジウム
講義
定性調査用インタビュー
学生ヒアリング など
法律事務所さま 聞き取り調査
話し合い
電話録音 など

東京反訳の文字起こしのやり方

精度の高い原稿作成のため、当社では4つのプロセスに基づいて、人の手作業で音声データをテキストに変換しています。

文字起こし業者の4つのステップイメージ画像

AI音声認識を利用した文字起こしサービス:
多くの場合は校正を行うことなく、認識結果がそのまま納品されます。そのため不正確な話者判別、同音異義語の間違いや聞き取りミスが発生し、聞き直しや修正作業に手間がかかる恐れがあります。

東京反訳の人手文字起こしサービス:
人間の作業者が発話者の意図を汲みながら文字起こしを行い、用語の調査や入念な確認作業を行ってから原稿を納品します。こうした丁寧な作業フローにより、誤字脱字・不自然な句読点の挿入などが少なく、読みやすい原稿が完成します。

AI音声認識と人手文字起こし業者の起こし方の違いについて、実際の文字起こし結果を比較しながら詳しく解説します。それぞれの業者の適切な利用シーンについてもまとめておりますので、業者選定の際にぜひ参考にしてみてください。

文字起こしを外注するメリットとデメリット

文字起こしを外注する前に、以下のメリットとデメリットを考慮する必要があります。

メリット:
文字起こしは内製化することも可能ですが、日本語を話すペースは1分間に300文字ほどであるのに対し、タイピングのスピードは平均120文字程度です。正しい変換や漢字の特定などの作業も含めれば、60分の音声を文字にするのに何時間もかかります。
通常業務の合間に集中して文字起こしを行うことは極めて難しく、間違いの許されない議事録の下起こしは、可能な限りプロの文字起こし会社に依頼することが望まれます。

デメリット:
録音時間が長ければ長いほど文字起こしに手間や時間がかかるため、外注費用が高額になります。また、録り溜めたデータの整理や管理、起こし範囲を把握する作業にも一定の工数がかかります。

東京反訳ではマイページ(お見積・ご注文フォーム)に音声データをアップロードした後、その場で音声を聞きながら起こし範囲を指定することができる機能を搭載しております。
操作方法などご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。


文字起こしサービス選びのポイント

  • 精度:重要な文書を仕上げる必要がある場合は、高精度の文字起こし業者がおすすめです。
  • 料金:誤りが含まれていても問題がない場合は、AI音声認識のような安価なサービスがおすすめです。
  • 納期:緊急性の高い案件の場合は、レスポンスが速く信頼性の高い業者がおすすめです。
  • 独自フォーマット:特殊な起こし方が必要な場合は、柔軟な対応や丁寧なサポート体制に定評のある業者がおすすめです。

人手文字起こし業者はAI音声認識と比べて精度や対応力などに信頼性がありますが、その分コストが高くなる傾向があります。対してAI音声認識は、低価格で大量のデータを処理できるものの、細かい要望に応える柔軟性には欠けています。利用目的や予算に応じて、適切なサービスを選択することが重要です。

文字起こしの呼び方

「ボイスリライト」「テープライティング」「録音反訳」「反訳(はんやく)」「テープ反訳」「逐語記録」「パソコン速記」「タイピング速記」「トランスクリプション」等、これらは全て文字起こし(テープ起こし)を表す言葉です。

「ボイスリライト」は東京反訳が2009年に商標登録をした呼称です。voice(声・音声)とrewrite(書き換える・書き直す)という意味の英語をミックスして、そのまま呼び名にしたものです。

これに伴い、文字起こし(テープ起こし)を職業とする人達の呼び名も、「テープライター」、「ボイスリライター」、「反訳者」等、多岐に渡っているのが現状です。当社では作業をする方を「ワーカー」と呼んでいます。


文字起こしの起こし方の呼び方

文字起こしを業者に依頼する際、どのような起こし方が良いか尋ねられることがあります。依頼前には以下の3種類の起こし方の中から、用途に適している起こし方を確認しておくとスムーズです。

ケバ取り:音声に含まれている「えー」「あー」などの不要語を取り除き、読みやすい体裁でテキスト化する起こし方です。東京反訳では「標準起こし」と呼び、最も多くのご依頼をいただいています。

素起こし:音声を聞こえるがままに全てテキスト化する起こし方です。東京反訳では「ケバ付き」と呼び、主に証拠音声の書き起こしなどに用いられています。

整文:重複した発言などを整理し、語尾をですます調に整える起こし方です。話の趣旨がわかりやすくまとまっており、会議の議事録としてそのまま用いることもできます。

速記と文字起こしの違いと歴史

かつて会議の内容を記録する際は速記の技術が多く用いられていましたが、ワープロや録音機が普及したことで文字起こしが主流になりました。
「文字起こしよりも速記の方が納期が速い」というイメージを持つ人もいますが、実際は速記記号を文字に変換する作業時間が必要であるため、両者の所要時間に大きな違いはありません。
※東京反訳には速記の技術・資格を持ったスタッフが在籍していますので、ご相談を頂ければ速記者を派遣することも可能です。

速記: 主に法廷や議会などで使用される記録方法です。
速記者が会議や講演に同席し、その場で音声を聞きながら速記文字という特殊な符号で記録を取ります。
ただし、速記記号はそのままでは日本語として読めないため、速記者本人が手書きの速記記号を持ち帰り、PCなどを使って反訳原稿に変換します。

文字起こし: インタビューや会議録など幅広く使用されている記録方法です。
基本的に作業者は会議等に同席せず、すでに録音されたデータを聞きながらPC上にて直接書き起こし原稿を作成します。当社の出張録音文字起こしサービスをご選択いただいた場合は、スタッフが現地に赴いて録音・話者メモを取り、持ち帰った資料を作業者に共有することで原稿精度を高めます。

速記と文字起こしの歴史

古代 古代ギリシャやローマで速記が使用され始める
19世紀 現代的な速記法が確立され、公式文書の記録に利用される
19世紀末 録音機器の発明と普及により、音声記録が可能になる
20世紀初頭 録音された音声を手作業で文字に起こす作業が始まる
20世紀中期 コンピュータ技術の発展により、音声認識技術が登場
20世紀後半 音声認識技術が進化し、文字起こしの効率が向上
21世紀初頭 AI技術が導入され、自動文字起こしツールが普及
現代 高精度の人力文字起こしとAI文字起こしの併用が一般的に
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